2024年4月9日話が長い人が改善すべきこととは?
★「長いな~」と感じる話の特徴
日本話し方センターの話し方教室では、話し方上達に関する講義とともに、人前に立って2分間のスピーチを行う実習を行っています。
この実習は、人前で話すことに慣れるとともに、2分間という短い時間で具体的で分かりやすい話ができるようになることを狙いとしています。
実際に、自宅で原稿を作って、何度も練習してから教室に参加した人は、次第に2分以内に話せるようになっています。
しかし、教室がスタートした頃は、話のまとめ方もまだ身についていないため、多くの受講生が2分30秒以上、話してしまいます。
そして、そういう話は、聞いていて「長いな~」と、感じてしまいます。
わずか30秒長いだけでも「長いな~」と感じてしまうのはなぜでしょうか。
それは、話が冗長だからです。
★余計なことを話してしまう
では、話が冗長だと感じる原因はどこにあるのでしょうか。
それは、余計なことを話してことにあります。
あなたの職場にも、「この人、話が長いなぁ」と感じる人がいると思います。
そういう人は、言いたいこととは関係のない、余計なことを話しています。
余計なことを言っているから、話にまとまりがなく分かりにくい話になってしまいまする
その結果、聞いている人は「つまらない」と感じてしまいます。
つまらない、と思って聞いているから、長い話だと思ってしまうのです。
日本話し方センターには
「必要なことを、必要な時に、必要なだけ、話す」
という言葉があります。
繰り返しになりますが、余計な話をすると聞き手は「話が長い」と思うだけでなく、余計なことが邪魔をして、話をわからなくしています。
こうしたことから、話はなるべく短くした方がよいのです。
2分のスピーチであれば、話は2分で終わらせなければなりません。
★背景説明を簡潔にする
では、そうした冗長な話になるのは、どの部分が余計なのでしょうか?
多くの場合、それは「背景説明」です。
例えば、話し方教室の受講生が、次のような趣旨のスピーチをしたとします。
「寝坊してしまい、遅刻しないようにあわてて家を出たので、家の鍵をかけるのを忘れてしまいました。
どんなに急いでいるときでも、落ち着いて忘れているものがないか点検すべきだと思いました」
このような話をする場合、多くの受講生はこんな感じで話の背景を説明します。
「先週の日曜日、高校時代にとても仲がよかった友人5人と10年振りに会いました。その友人たちとは3年間ずっと同じクラブで、県大会出場を目指して毎日毎日、お正月も夏休みもなく厳しい練習を耐え抜きました。結局、県大会には出場できなかったけど、その時にできた絆はとても強いものになりました。私が東京に出てきてからなかなかみんなと会う機会がなかったので、ついに会うことができて、うれしくてたまりませんでした。その日は終電ギリギリまで話し込んでしまい、寝たのは午前3時。そのため、翌日、いつもよりも1時間遅く起きてしまい、、家をあわてて出たのです」
実は、この長い説明の中で必要なのは
「10年振りに会った高校時代の親友たちと深夜まで話し込んでしまった。翌日、いつもよりも1時間遅く起きてしまい、あわてて家を出た」
という部分だけです。
★伝えたいことに関することだけ話す
2分間ならせいぜい500字くらいしか話せません。
多くのことは話せないのです。
この話ではあくまで「あわてていても落ち着いて忘れ物がないか点検しよう」ということが言いたいのです。
であれば、背景の説明は、それに関することだけに留めるべきです。
上の例で言えば、県大会出場に向けて皆で切磋琢磨したことなどは、聞き手に理解して欲しいこととは関係ありません。
本人は思い入れが強いことなので、「ぜひ話したい!」と思うでしょうが、聞き手にとっては余計な話なのです。
背景説明を短くした上で、
- 何故あわてて家を出たのか
- 鍵をかけ忘れた時はどんな気持ちだったのか
- 結局家は無事だったのか
などを具体的に話すことで、聞き手に伝わる話ができるのです。
★『言いたいこと』と『伝えたいこと』を区別する
「言いたいこと」と「伝えたいこと」は異なります。
しかしながら、多くの人はこの両者を区別せずに話をしています。
言いたいことを理解してもらうために、必要なことだけを話す。
そのために、背景の説明は必要なことだけを話す。
このことを意識していただきたいと思います。
★相手に伝わる話し方を身につけませんか?
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、話の組み立て方や伝わりやすい話し方を、スピーチ実習を通して学んでいただいています。
ぜひ、その効果の程を「受講者の声」でご確認ください!